毎年8月30日から9月5日は「防災週間」。そして先月8月26日は「火山防災の日」でした。今年はこの日にあわせて、富士山の大規模噴火が起こった際の火山灰被害を想定したCG動画が内閣府より公開されました。皆さんはもうご覧になりましたか?筆者はその夜のニュースでリアルな映像を目にして、思わず翌日には自宅の防災備品を見直しました。まだ見ていない方は、ぜひ一度見てみることをおすすめします。
富士山の大規模噴火と降灰の影響(内閣府防災)
いつ起きてもおかしくない富士山噴火 もし起こってしまったら?
富士山が最後に噴火したのは江戸時代の宝永噴火(1707年)で、300年以上の静穏期が続いています。しかし、富士山は過去を振り返ると平均して約30年に1回は噴火していた“まだ若い活火山”。CG動画の中でも専門家が「いつか必ず噴火する」と警鐘を鳴らしています。
では富士山が噴火したら、私たちの暮らしはどう変わるのでしょうか。最も現実的な被害として想定されているのは、火山灰です。細かい灰は数十キロ、時には数百キロ先まで飛び、首都圏に降り注ぐシナリオも予測されています。
火山灰が降り積もれば、電車や飛行機など交通機関は止まり、自動車もエンジンが故障するかもしれません。水道や電気、通信機能が途絶える可能性も。人や動物が火山灰を吸い込めば、私たちの健康被害にも影響します。そうした状況では容易に外出できず、ライフラインが途絶えた中での生活を余儀なくされることも考えられるでしょう。
普段、美しい形の富士山を日本のシンボルとして見ている私たちにとって、噴火などどこか非現実的な出来事のように思えてしまいます。しかし、長らく大規模噴火が起きていないからこそ、噴火時を想像して備えねばならないと、CG動画を見て改めて感じました。
私たちにできる火山防災への備え
私たちが暮らす日本には、富士山を含めて111もの活火山があります。つまり、どこに住んでいても噴火は遠い出来事ではないのです。富士山から遠い地域に住んでいる人も、これを機に、自分の住んでいる地域の近くの活火山を確認し、想定しうるリスクとそのための備えを考えてみてはいかがでしょうか。

たとえば、自分の住む地域のハザードマップを見て、火山灰や噴石のリスクがどのくらいあるのかを知っておくこと。降灰に備えてマスクや防塵ゴーグルを備蓄しておくこと。家族と「通信機器が使えなくなったらどうやって連絡をとる?」と話し合っておくこと。非常食や水、簡易トイレ、携帯ラジオなどの備えは他の災害にも役立ちます。噴火によって自分の暮らしにどんな影響があるかをできるだけ具体的にイメージし、それに合わせた対策をできていれば、いざという時の安心感がアップします。
“もしも”に備えることが未来を守る

一度大規模噴火が起これば、その周辺地域の環境や社会インフラへの深刻なダメージは避けられせん。しかし、火山はただ私たちに脅威を与えているだけではなく、たくさんの恵みももたらしてくれています。美しい景観や温泉、地熱発電、豊かな生態系や作物を育む土壌などは、火山による恩恵の一つです。
火山と共に暮らす私たちに必要なのは、自然を正しく理解し、正しく恐れ、うまく共生していくこと。これはSDGsの掲げる目標11「住み続けられるまちづくりを」にも重なります。富士山が噴火する日は誰にもわからないからこそ、私たち一人ひとりが「もしも」を想像し備えることが、持続可能な地域づくりにつながります。













