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【神戸龍谷中学校高等学校】国際理解教育と探究活動 仏教精神に基づく特色あるユネスコスクールを目指して

なるほど!

3

SDGs達成に不可欠な
国際感覚とリサーチリテラシーを身に付ける

ゴミ問題についてプレゼンテーション

2021年度で100周年を迎える神戸龍谷高等学校。新学習指導要領の開始に先行して、2018年度入学生のタイミングで新課程の趣旨にかなうコース編成を整えた。従来の特色である国際理解教育を発展させ、探究活動を大幅に取り入れることで、「主体的・対話的で深い学び」を実現し、SDGsの達成に資する教育(ESD)を実践。その中で、主体的に学ぶ生徒が「他者との協働が成果を生むこと」を知り、課題発見力・課題解決力・発信力を身に付けていく。国際理解教育と探究活動を軸に、ESD・SDGsへ取り組む各コースの特色ある学びを紹介する。

「龍谷総合コース」では、文系の標準的なカリキュラムに学校設定科目「課題探究」を設置。1年次からリサーチリテラシーの修得や協働学習の習熟、コミュニケーション能力の向上を図り、2年次課題探究Ⅱでは国際・現代社会・自然科学・福祉などの分野でさらに長期の探究を行う。また、探究活動を支える基礎力として身体表現・マルチメディア・視覚デザインなどの選択科目も設置している。3年次の課題探究Ⅲ卒業研究 「龍総クエスト」では、中間発表および卒業研究発表で1 人ずつプレゼンテーションを実施し、最終的に代表者が全教員の前で発表を行う。一連のプロセスを通して、発信力が磨かれていくという。

「特進文理Sコース」では、土曜日に設けた「総合的な探究の時間」の中で、新聞記事を活用してSDGsに関わる探究活動を行う。その成果は新聞形式にまとめて発表し、さらに生徒代表は校外の発表会に出場する。

「特進グローバル文系コース」は、入学生全員が海外経験を積むコース。探究型授業「Global issues」では、オールイングリッシュで世界共通の課題に対する理解を深める。「ONE WORLD FESTIVAL」などの国際理解事業にも参加し、国内外の学校・生徒と活発に交流することで国際感覚を実地的に養う。

「特進グローバル理系コース」は、国内外の企業や大学研究室と数多く交流する点が特徴だ。2年次の秋にアメリカ研修に赴き、各個人のテーマを設定。大学の博物館・研究所を訪問して講義を受け、意見交換やプレゼンテーションに励むことで、知識とリサーチリテラシーを磨く。

中高一貫の「特進/英進グローバルコース」では、一貫教育のメリットを生かし、難関大学への進学を支える学習時間を担保しつつ、多数の探究型・体験型授業や行事に取り組む。3週間のカナダ研修では、グローバルシチズン(地球市民)としての基礎が育まれる。

掲載紙

今回の記事は、東洋経済新報社と株式会社WAVE/WAVE・SDGs研究室が制作した「東洋経済ACADEMIC SDGsに取り組む幼・小・中・高校特集」に掲載されています。

東洋経済ACADEMIC SDGsに取り組む幼・小・中・高校特集 
持続可能な未来をつくるSDGs・ESD教育の実践

SDGsが国連で採択されて約6年。2030年の目標達成に向け、世界は「行動の10年」へと歩みを進めている。
一人ひとりの行動がいずれ世界を変えうる現代、未来を創造する鍵となるのは「教育」だ。初等中等教育現場の現場における変革は著しく、SDGsを実現する取り組みが多様化し、「持続可能な社会の創り手」の育成の場として注目を集めている。
本誌では、教育を通してSDGsを実現している事例を紹介し、SDGs・ESD教育の深化と多様性を象徴する初等・中等教育の真価に迫る。

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