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毎日の買い物をエシカルに!認証マークで地球社会に優しい商品を選ぼう

なるほど!

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私たちの何気ない消費行動には、社会を変える大きな力があります。商品を選択して購入することは、自分が支持する企業やモノに対する投票と同様です。単に「安いから」「人気だから」という理由だけでなく、「環境に配慮してつくられたか」、「生産の段階で差別が生じていないか」といった面も考慮することで、持続可能な社会づくりにつながります。このような、社会解決を重視する消費行動、つまりエシカル消費についてアンテナを張ってみてはいかがでしょうか。

今さら聞けないエシカル消費の基礎知識

エシカル消費という言葉を、ニュース番組や新聞でよく見かけるようになりました。世の中に流通している商品の中には、利益を優先して環境や社会のことを蔑ろにして生み出されたものもあります。例えば、低価格で購入できるファストファッションでは、発展途上国の労働者を劣悪な環境で働かせていたことや、大量生産・大量廃棄で環境に悪影響をもたらしていたことなどが問題になりました。社会課題や環境問題の解決を考慮して生産された商品を積極的に選び、購入することをエシカル消費といいます。

「エシカル」とは英語で「倫理的な」という意味。商品の価格や品質だけでなく、倫理的な価値も判断基準にした消費行動です。エシカル消費という言葉自体は、1980年代にイギリスの雑誌”Ethical Consumer”で初めて用いられました。当時から深刻化していた環境汚染や人権侵害、動物虐待などに関与する商品の不買運動を呼びかける中で、エシカル消費の重要性がうたわれたのです。現在では、SDGsの12番目のターゲット「つくる責任 つかう責任」を達成するための手段として、再び注目を集めています。

毎日の買い物の目印に。身近な認証マークをご紹介

倫理的に問題のない方法で作られた商品を選ぼうと思っても、手に取った商品がどのように作られているのか、消費者は直接知ることはできません。そこで目印となるのが「認証マーク」です。国や地方自治体、業界団体、非営利活動法人などが商品の生産・流通や品質についての認証基準を定めており、それらをクリアする商品に認証マークがつけられます。商品にマークをつけるためには事業者が第三者の審査機関に申請し、審査によって基準をクリアしていることが認められる必要があります。

認証マークは食品・雑貨などのパッケージの裏や、パンフレットやカタログの隅に付けられることが多いです。よく目にするものもあるでしょう。ところで、それぞれのマークが何を意味しているか知っていますか?「マークがついているからなんとなく良さそう」ではなく、意味を知ったうえで商品を選択することにより、よりエシカル消費の意識が高まります。また、認証マークは世界各国に存在します。海外のマークの意味も把握し、輸入雑貨店や海外オンラインショップなどでの商品選びの参考にしてみてください。

ここで、「エシカル消費」という観点から国内外の認証マークをカテゴリー別にご紹介します。

環境負荷の少ない商品につけられる
【エコマーク】

公益財団法人日本環境協会が発行するエコマークは、商品の生産から廃棄までのサイクル全体を通して環境への負荷が少ないと認められた商品につけられるマークです。「資源採取」「製造」「流通」「使用消費」「リサイクル」「廃棄」の各段階で4つの評価項目から審査されます。ノート、ボールペンなどのモノ以外にも、レストランやホテル、スーパーマーケットなどのサービスも認定している点が特徴です。

森林保護に貢献する
【FSC®ラベル(FSC®認証)】

FSC認証は持続可能な森林活用・保全を目的とし、「森林の管理が環境や地球社会に配慮して適切に行われており、経済性も担保できる計画をもっているかどうか」を認証する制度です。生態系の保護のみならず、労働環境や森林の周辺で生活を営む先住民との関係なども考慮されます。FSCマークがつけられるのは、認証を受けた森林の木材やその他の管理された森林、そしてリサイクル資源から生み出された製品です。例えば紙袋やトイレットペーパーなどの紙製品でよく見られます。この認証を行うのは、ドイツのボンに本部を置くFSC®(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会)というNPO(非営利団体)が定める要件を満たす認証機関であり、現在最も普及している国際的な森林認証のマークといえます。

水資源と環境を守る
【MSC「海のエコラベル」】

水産資源や環境に配慮し、持続可能で適切に管理された漁業を認証するのがMSC認証です。認証規格を満たした漁業で獲られた天然水産物に、MSC「海のエコラベル」がつけられます。MSC認証には、漁業に対する「漁業認証」と、水産物の水揚げ以降の流通・加工過程の管理に対する「CoC(Chain of Custody)」認証の2種類があります。MSC認証水産物は非認証水産物と混ざることなく管理されて消費者に届くため、安心して選ぶことが可能です。

労働者の人権を守る
【国際フェアトレード認証ラベル】



国際フェアトレード認証ラベル

フェアトレードとは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」です。生産者への適正な価格の支払い、労働環境保護、農薬使用規制、等の国際フェアトレード基準をクリアした製品には認証ラベルがついています。代表的なフェアトレード認証製品には、コーヒーやチョコレート等があります。

オーガニック製品であることを証明する
【有機JASマーク】

有機JASマークは、日本農林水産省(JAS)が認定するオーガニック農業のマークです。農薬や化学肥料、遺伝子組み換えの不使用など、オーガニック農業に基づいて生産された農産物や加工食品、飼料、畜産物、藻類につけられます。オーガニック商品は、健康に良いのみならず環境にもやさしいため、持続可能な農業につながります。

エシカルウォッシュにご注意を

ここでご紹介した認証マークは信頼できる機関によって運営されているため、マークがついた商品はエシカルであることが明らかです。しかし世の中には、認証を取得していない、もしくは適切な生産・流通ルートを徹底していないにも関わらず利益目的で「エシカル」を謳ってビジネスをしている企業・事業団体が存在するのも事実。こうした見せかけのエシカル、つまり「エシカルウォッシュ」に惑わされないように、日本エシカル推進協会(JEI)は、エシカルの定義を明確にするための「JEIエシカル基準」を2021年に策定しました。

JEIエシカル基準は、商品やサービス、ブランド、企業がエシカルであることを客観的かつ総合的に判断するための物差しです。この基準を満たしている企業は、正しくエシカル事業を行っているということができます。しかし注意すべきなのは、これは基準であり認証制度ではないということ。あくまでも企業が自己評価し、それを公表することで、エシカルであることを消費者に知らせることが目的です。

JEIエシカル基準は以下の8つの分野の項目からできています。

(JEIエシカル基準の8つの分野)

  1. 自然環境を守っている
  2. 人権を尊重している
  3. 消費者を尊重している
  4. 動物の福祉・権利を守っている
  5. 製品・サービスの情報開示をしている
  6. 事業を行っている地域社会に配慮・貢献している
  7. 適正な経営を行っている
  8. サプライヤーやステークホルダーと積極的に協働している
    (出典|一般社団法人日本エシカル推進協議会(JEI)「JEIエシカル基準」

各項目で4~7つの課題を掲げ、その達成レベルをA~Dで評価することで、エシカル度を測っています。こちらの基準は主に企業向けに公開されているものですが、消費者にも役立つ情報です。買い物をする際に、JEIエシカル基準の項目も念頭に置くことで、商品のエシカル度を見極めることができます。少しでも疑問を抱いたら、商品サイトや企業への問い合わせを通じて情報を入手しましょう。

エシカル消費は、持続可能な地球社会にしていくために私たちが日常で取り入れられる行動です。しかし他の商品と比べて価格が高かったり、取り扱っている店舗が限られたりと、ハードルが高いと感じる人も少なくないでしょう。いきなり買う物全てをエシカルなものに置き換えるのではなく「スーパーの買い物かごの中のどれか一つだけ」や「大切な人へのプレゼントとして」など、できる範囲から始めてみてください。どんな小さなアクションでも、一つひとつが積み重なることで社会をよくする大きな動きにつながります。

<参考>

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