SDGsゼミリポート | サステイナブルな未来を多様な視点で探求する

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【龍谷中学校・龍谷高等学校】SDGsを自分事として考え 自ら行動する 日常の学び・活動から展開される活動

中学校が取り組む、
日常の中にあるSDGs活動

自分事として学ぶ・その重要性を広める・行動する、これが龍谷中学校におけるSDGs学習の考え方だ。その活動は多岐にわたる。169のターゲットまで掘り下げて学び、自分の意見を持って専門家とオンラインで対談。教育テクノロジーを有効に活用した校内のゴミ問題に対する課題解決型探究学習。新入生によるSDGsイベントの企画提案およびプレゼンテーション。学年を超えた意見交換も活発に行われている。(詳細は関連リンクを参照)
生徒が日常の中でSDGsについて考え、持続可能な未来に向けて実行するからこそ、必然性のある活動が展開されている。

■関連リンク
SDGs対談:https://www.rsg1995.jp/topics/特別授業
絵はがきプロジェクト:https://www.sagaryukoku.ed.jp/jhsc/news/001447.php
プレゼンテーション大会:https://bit.ly/3jOUOzE
ゴミ問題:https://bit.ly/36kESNz

高等学校・特別進学コースの21世紀を切り開く力を培う
SDGsを軸とした学び

Global Leadership Project

龍谷高等学校・特別進学コースでは、2016年から「Global Leadership Project」を開始した。知識偏重型から多面的な能力を測るという方向に、大規模な教育改革が進んでいることを受け止め、総合学習をより充実させる形で生まれた活動だ。チームで取り組むプレゼンテーションやポスター発表を通じた提言型課題解決学習を行っており、主体性、リーダーシップ、プレゼンテーション力、課題解決力、チーム力(協働性)、創造性、地域貢献力、チャレンジ精神を身に付ける。佐賀大学の教員・学生・留学生と連携し、ジョイント・セミナーや意見交流会を行う活動も多い。

2018年からは「SDGs」の視点を取り入れ、SDGsに関する基本知識を学ぶ、環境問題に関する講話を聴くなど、昨今の世界課題について考える活動に取り組んでいる。2020年春の卒業生は3年次に、健康や教育など、各自が関心のある分野でSDGs達成に向けた探究活動を行った。グループワークでの意見交換において思考を深め、解決への提言は小論文集「未知への挑戦 未来への提言」としてまとめられている。また、グローバルな視野で物事を考えるSDGs的な態度を身に付けることは、生徒の人間的・内面的な成長にもつながっている。

小論文集「未知への挑戦 未来への提言」テーマ(一部)
・世界の子ども兵    ・インドのトイレ改革   ・環境問題と芋虫   
・健康から始めるSDGs  ・男女平等のあり方   ・教育が変える貧困問題

高等学校・文理進学コース、総合コース、保育コースの部活動から展開する
等身大のSDGs活動

文理進学コース、総合コース、保育コースは、文武両道を合言葉に、部活動や課外活動に打ち込む生徒が多く在籍している。「部活動という日常の延長線上に、誰かと誰かをつなげたり、誰かの笑顔を生み出したりするためにできることがあるのではないか」という気づきから始めたさまざまな行動が、「持続可能な未来を創る」SDGsの達成を目指す活動につながってきている。言わば、「自分を見つめる」ことから始まった等身大のSDGsだ。

サッカー部による活動

例えば、バスケットボール部では、車いすバスケットボール大会の補助や、バスケットボールチーム「佐賀バルーナーズ」の試合におけるボランティア活動に取り組んでいる。吹奏楽部では、佐賀視覚障害者団体連合会との演奏会を開催している。また、サッカー部では、サッカーを通じて多様な人々と交流し、視野を広げている。県立盲学校とのブラインドサッカー交流会や、主にシニア世代に親しまれているウォーキングサッカー、精神障がい者によるソーシャルフットボールの大会に参加。そのほかにも、子ども向けのサッカースクール・イベントの開催や小学校への出前サッカー授業なども行う。大会時の災害募金募集や、近隣の農家のお手伝いなどを行うこともある。

協力いただいている企業など
大塚製薬株式会社/ミズノ株式会社/理研農産化工株式会社/サンポー食品株式会社/株式会社あいぞの/コウフ・フィールド株式会社/SOLTILO Knows株式会社/医療法人ひらまつ病院/有限会社川代テント工業/かもはら写真館/学校法人藤影幼稚園ふじかげこども園/社会福祉法人祐正福祉会城西こども園/社会福祉法人小桜福祉会小桜こども園/学校法人築地龍谷学園江東学園幼稚園/佐賀県内の寺院/あしかり豆美人/東冠建設/有明・潮風ファーム/おほ建設/SUGINOYA/なかむら建設

SDGsへの活動を後押しする地域社会や企業の存在が、生徒たちの励みになり、笑顔の連鎖が生まれている。そして、生徒たちが直接関わる範囲の人々に加えて、その裏側に多くの人の連携があるからこそ活動が可能であることに気づき、目に見えないつながりを想像する力が培われる。こうして、「誰一人取り残さない」社会を希求する心構えが醸成されているのだ。

掲載紙

今回の記事は、東洋経済新報社と株式会社WAVE/WAVE・SDGs研究室が制作した「東洋経済ACADEMIC SDGsに取り組む幼・小・中・高校特集」に掲載されています。

東洋経済ACADEMIC SDGsに取り組む幼・小・中・高校特集 
持続可能な未来をつくるSDGs・ESD教育の実践

SDGsが国連で採択されて約6年。2030年の目標達成に向け、世界は「行動の10年」へと歩みを進めている。
一人ひとりの行動がいずれ世界を変えうる現代、未来を創造する鍵となるのは「教育」だ。初等中等教育現場の現場における変革は著しく、SDGsを実現する取り組みが多様化し、「持続可能な社会の創り手」の育成の場として注目を集めている。
本誌では、教育を通してSDGsを実現している事例を紹介し、SDGs・ESD教育の深化と多様性を象徴する初等・中等教育の真価に迫る。

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