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レトロ雑貨で始めるサステナブルな暮らし -過去と未来をつなぐ「あなただけの一品」を探そう-

皆さんは商品を購入するとき、どのような基準で選ばれていますか?機能やデザイン、価格など、さまざまな観点があるかと思いますが、筆者の決め手は「ときめき」です。少し値段が高くても「これだ!」と感じたものは即決する一方で、条件が揃っていてもなんとなくピンとこないものは見送ることも。こうして一つひとつ手間をかけて選んでいるため、手元にあるアイテムには自然と愛着が湧いてきます。

古道具屋で出会ったティーバッグサーバー

先日、大阪・中崎町の古道具屋を訪れた際、ショーケースに並んでいたガラスポットに一目惚れしました。お茶を淹れられるガラスポットをずっと探していたのですが、雑貨屋や家電量販店、ネット通販を見てもどれも決め手に欠け、なかなか手に入れることができませんでした。大量生産の商品にはどこか味気なさを感じ、躊躇していたのです。しかしこのガラスポットは、丸みのあるかわいらしい形と温かみのある雰囲気、小ぶりなサイズ感が魅力で、その場で購入を決めました。

実はこのアイテムは「ティーバッグサーバー」と呼ばれており、ティーバッグの下げひもを取っ手に結べる仕様が施されています。調べてみると、かつてリプトン社がノベルティとして配布していたデッドストック品とのこと。新品や大手メーカーの製品ばかりを探していましたが、古道具もまた素敵な選択肢だと新たに発見しました。古道具との出会いはまさに一期一会。それまでどこかで使われていたり、眠っていたものと偶然出会い、これからは自分のもとで新たな歴史を刻んでいく──そんな過程が何とも魅力的に感じます。しかも多くは一点もので、「自分だけのアイテム」として特別な愛着が湧いてくるのも楽しみのひとつです。さらに、リユース商品の購入はSDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」にも結びつくテーマであり、廃棄物削減の一助となります。

ティーバッグサーバーはマグカップより少し大きめで、一度に約2杯分のお茶を淹れられるサイズ感です

付属の箱を見ると、どうやらこの商品は昭和日本で流通していたもののようです(正確な年代は不明ですが)

レトロ食器の再販ブランド「昭和スタイル」

リユース商品であるティーバッグサーバーを購入したことをきっかけに、古道具のアップサイクルにも興味が湧き、調べたところ「昭和スタイル」というレトロ食器の再販ブランドに出会いました。石川県珠洲市を拠点に、循環経済(サーキュラーエコノミー)を推進するブランドで、株式会社ファーストビルディングス(石川県野々市市)が2024年3月に設立。解体される家屋や空き家から出される廃棄物の中から昭和レトロな食器を選び、丁寧にクリーニングを施した上で、実店舗や全国の小売店に出荷しているそうです。少子高齢化と人口減少に伴い、空き家問題が深刻化している珠洲市で、残置物や廃棄物に新たな価値を見出し、美しい昭和レトロのアイテムとして再び世に送り出す取り組みです。
筆者の生活区域である大阪・梅田の小売店でも「昭和スタイル 」の商品が取り扱われているとのこと。機会があれば、ぜひ足を運んでみたいと思います。




昭和時代の懐かしい思い出と共に商品を手に取る方々はもちろん、昭和を知らないZ世代にも新鮮さを感じていただき好評だそうです

何かを購入する際、リユースやアップサイクル商品もぜひ選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。地球に優しい選択をしながら、他にはない「自分だけの運命の一品」に出会えるかもしれません。

<参考>

株式会社ファーストビルディングス(「昭和スタイル」運営元)