日々の生活の中で、誰もが気軽に取り組めるSDGsのひとつが「平和を願うこと」かもしれません。戦後80年を迎える今年の夏、平和に思いをはせる時間をとってみてはいかがでしょうか。 そこで筆者がおすすめしたいのが、夏の風物詩・お祭り。実は平和につながる行事なのです。今回は「わっしょい、わっしょい!」という威勢のいい掛け声に込められた意味や、祭り自体の目的を少し紐解きます。
お祭りと「平和」はつながっている?
日本各地の夏祭りは、五穀豊穣や無病息災を願う行事として親しまれてきました。その背景には「地域を守る」「人と人のつながりを再確認する」という、目に見えない“平和”への願いが込められています。
特に江戸時代から続く多くの神輿行事は、「神様を背負う」ことで地域に福をもたらすとされています。一説には「和(わ)」を「背負う(しょい)」——すなわち“共同体の調和を守る”意味も含まれるといわれています。このような行事を地域の子どもたちと一緒に体験することは、平和の価値や地域の連帯を、自然と肌で学ぶ機会にもなっています。
例えば、東京都にある赤坂氷川神社の「氷川祭」では、氏子たちが町内を練り歩く神輿や山車、神楽などを通じて、「地域の安寧と和(やわ)らぎ」を祈ります。現代では外国人の参加も見られ、文化的な共生や世代間交流の場にもなっています。
「平和」は特別な言葉ではない
SDGsの目標16では、「持続可能な開発のために平和で包摂的な社会を促進する」ことが掲げられています。お祭りの準備で、地域の人が顔を合わせ、世代を越えて声をかけ合う——そんな日常の光景そのものが、地域に根ざした“包摂的な社会”の一歩です。誰もが参加できる場をつくることは、まさに「誰一人取り残さない」SDGsの理念にも重なります。
「わっしょい」の声が響く限り
平和は、「戦争がないこと」だけを指すものではありません。地域の誰もが安心して暮らし、互いを思いやり、支え合えること——それもまた真の平和でしょう。 この夏、お祭りの太鼓の音が聞こえてきたら、「わっしょい」に込められた“和の心”を少しだけ思い出してみてください。隣の人を想うその小さな願いが、きっと世界を包む大きな平和につながるはずです。
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