とある仕事がきっかけで、お香にはまっている今日この頃。我が家には次々とお気に入りの香りが増える一方です。どこか懐かしい香りに心ほぐされるお香は、穏やかで健やかな日々を送るためにぴったりのアイテム。よりナチュラルなものを選んで、サステイナブルに楽しんでみませんか。
日本での始まりは飛鳥時代!?手軽に楽しめる伝統文化
そもそもお香はインドに起源を持ち、飛鳥時代の仏教の伝来とともに日本にやってきたと言われています。当時は宗教的な習わしに使われていましたが、平安時代には貴族の間で空間や服に香りを焚きつけて楽しむ方法が広まりました。その後、武士へ、商人へと文化が伝わり、香りを聞く(=聞香/もんこう)香道が確立されるように。江戸時代から現代にかけて、香りを手軽に楽しむスタイルが定着しました。
最近は若者向けの雑貨屋さんでもお香が並んでいるのをよく目にします。香りのアイテムは香水やアロマなど多種多様ですが、日本文化であるお香が身近な存在になることは、文化の保存・伝承において前向きな動きだと感じます。
体に、環境に優しいお香でサステイナブルに
お香には香木系、花、ハーブなどさまざまなフレグランスがあります。基本のお香の作り方は香原料とタブ粉(タブノキの樹皮の粉末。水を加えると粘り気が出る)を混ぜて成型するという、シンプルなもの。添加物が少ないほど体に優しくなります。
天然の香原料として代表的なのは、伽羅(きゃら)・白檀(びゃくだん)・沈香(じんこう)などの香木ですが、最近注目を集めているのは香木以外の天然植物由来の香原料を用いた「ナチュラルインセンス」。自然倒木した香木や、廃棄されるフルーツ・茶葉などを香原料に使用したアイテムもあり、SDGsにつながる選択肢が見つかります。
※香原料には人工的なものもありますが、人工香料の安全性については、国際香粧品香料協会(IFRA)が国際的な水準を設けています。日本の香料メーカーの多くはそれに従っているため過度に心配する必要はありませんが、呼吸器系の健康に不安がある方は商品詳細を確認の上お楽しみください。
くつろぎ時間にお香を焚いて、自分だけのリラックスタイムを
ゆるやかに立ち上る煙を見ていると、自然と目の前のことに意識が向き、集中力が高まるような気がします。就寝前にくゆらせると、やらなければならない事や考え事から解放されて、自分の心と向き合う時間に。「最近、忙しく日常が過ぎているな…」と感じる方は、お香を焚いて自分を見つめる時間を取ってみてはいかがでしょうか。他にも、気持ちを切り替える朝時間やお風呂上りのストレッチ、読書の時間など、自分なりのお香タイムを見つけるのもおすすめです。気分に合わせて香りをチョイスしたり、お香立てを集めたり、楽しみの幅は広がります。

煙がちょっと苦手…という方は、火をつけない状態でも十分楽しむことができます。そのまま置いておくだけでふわりと香りが立つので、その時の体調に合わせて取り入れてみてください。
古くから楽しまれてきたお香。その品のあるイメージとは裏腹に、手軽に楽しむことができるアイテムです。お気に入りのお香を見つけて、健やかな毎日を送ってみてはいかがですか。
※お香を用いる際は、よく換気をして正しく使用してください
<参考>
お香の歴史