2025年10月13日をもって閉幕した大阪・関西万博。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとして最先端技術が集結した大阪・関西万博では、いろいろな場所でSDGsにつながる取り組みに触れることができました。今回は、計10回以上万博に足を運んだ筆者が、特に印象に残ったサステナブルな取り組みを3つご紹介します。
おいしい水を無料で提供!52台の給水機
開催期間中は暑い日が続き、水分補給が欠かせませんでした。会場内には誰でも自由に利用できる給水スポットが多数設置され、マイボトルに給水することで、ペットボトルの消費量を削減するとともに熱中症を予防できる取り組みが行われていました。会場内に設置された給水スポットはなんと52台!無料で利用できるため、多くの人が列をつくる光景も見られました。
給水機から給水されるのは、大阪の水道水です。実際に飲んでみると冷たくておいしく、安心して利用できました。一般的なウォーターサーバーのようにタンクを交換する必要がなく、水が切れる心配がないのもメリットです。閉幕日である10月13日時点で、給水回数は12,065,111回に達し、CO2削減量は978,480㎏にものぼったそうです(OSGコーポレーション調べ)。これを機に、給水スポットが全国に広がっていくと良いですね。

ワイヤレス充電で走行できる!EVバス
万博会場の広さはおよそ155ha(東京ドーム約33個分)。とても広い会場内を移動するのに役立ったのが、外周路を走るバス「e Mover」です。e Moverは、全車両が電気を動力源として走行するEVバス。ガソリンを使用しないので、走行時に温室効果ガスが発生しない環境に優しい乗り物です。
私が驚いたのは、一部の車両でワイヤレス充電ができること。道路に埋め込まれたコイルから、走行中に給電しているのです。停車せずに充電ができる画期的な方法に、未来のモビリティの可能性を感じました。また、別の車両では自動運転での走行も行われていたようです。これらの技術の実用化が進めば、私たちの移動手段は大きく変わるかもしれません。

曲げられるほど薄い!ペロブスカイト太陽電池
次世代の太陽電池として注目を集めている、「ペロブスカイト太陽電池」をご存じですか?太陽光発電といえば、大きくて重い従来型のソーラーパネルを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、ペロブスカイト太陽電池は軽量で柔軟に曲げられるのが特徴です。設置場所の自由度が高く、これまでソーラーパネルの導入が難しかった場所にも活用できる可能性を秘めています。
実用化に向けた実証実験が進んでおり、大阪・関西万博では、西ゲート近くのバス停の屋根に設置されていました。近くで見ると、カーブした屋根にぴったりと沿うように設置されているのが分かります。昼間に発電した電気は蓄電池に充電され、夜間時の照明に利用されていたのだそう。今後技術開発が進めば、街中のあらゆる場所で発電ができる未来が訪れるかもしれませんね。

大阪・関西万博は未来の技術を体験できる貴重な機会でした。水や移動、エネルギーといった身近なテーマに、SDGsの実現につながる大きな可能性があることを実感しました。未来の暮らしは、もうすぐそこまで来ているのかもしれません。今回出会った取り組みが、やがて日常に当たり前のように広がっていくのが楽しみです。
〈参考〉
大阪・関西万博会場 OSG給水スポットサイト
万博会場内・外周バス e Mover
ペロブスカイト太陽電池とは?仕組みやメリットを解説
〈お知らせ〉
株式会社WAVEは、大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオン
展示・出展ゾーン リボーンチャレンジに出展しました