温かみのあるレトロな色合いの写真。現像するまでどんな写真が写っているか分からないワクワク感。そうしたフィルムカメラならではの魅力がいま若者の間で情緒的、つまり「エモい」ものとして注目されています。最新のテクノロジーが続々と生み出される中で、なぜアナログなアイテムが選ばれるのか。その理由に迫ると、有限性を味わい、今というかけがえのない時間を楽しもうとするピュアな心が浮かび上がってきました。今回は、フィルム撮影初心者の私が使い捨てフィルムカメラ(レンズ付きフィルム)を片手に出かけた山梨旅行を振り返りながら、魅力をお届けします。
撮れるのは27枚だけ。有限だからこそカメラを構える瞬間が光る
フィルムは、デジタルと違って撮影できる枚数に限りがあります(撮影枚数は商品によって異なります)。私が選んだものは27枚撮り。初めはたくさん撮れるなと感じましたが、いざ旅行が始まると「貴重な1枚、どこで撮ろうかな」と考えていました。普段はスマートフォンで枚数を気にせずにパシャパシャとシャッターを切っていた私。きれいな風景や美味しそうな食事を前にすると、無意識にスマートフォンを構えていました。
一方、枚数に限りがあるフィルム撮影だと、「これは写真に収めたい」と心が動いた瞬間を狙ってファインダーを覗いていたのです。いつしか五感を働かせてその瞬間を堪能することが自然になり、たくさんの景色を目に焼き付けることができました。

写真とともに思い出を振り返るまでが醍醐味

私が最もワクワクしたのは、現像した写真を受け取る時でした。デジタルカメラやスマートフォンであれば撮影後すぐに見返せますが、フィルムはそうはいきません。現像するまでどんな仕上がりか分からないドキドキがあります。
現像された写真はまるでタイムカプセルのようで、その時の思い出をよみがえらせます。一緒に撮影した人と写真を見返す時間も楽しいものです。また、写真がきれいに撮れていたらもちろんうれしいですが、たとえ真っ暗になっていたり目をつむってしまったりしても、それはそれでいい思い出。フィルムで撮影したという新鮮な体験が旅の1ページを彩りました。
資源を大切にするためのさまざまな工夫
デジタルカメラの登場によってフィルムカメラの需要は減少し、さらにフィルムの現像工程で出る廃液などが環境面で問題視されるようになりました。しかし現代では、廃液を無害化するための技術開発や使い捨てフィルムカメラ本体のリサイクルなど、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」のための取り組みがなされています。また、中古のフィルムカメラを購入するのも選択肢の一つ。限りある資源を大切にしながら使っていきたいものです。
大切な思い出をフィルムで残してみては

フィルムカメラを体験してみて、その奥深い魅力に触れることができました。まずは手軽な使い切りのものから、旅行や大切なイベント・行事の時に使ってみてはいかがでしょうか。いつも以上に目の前の楽しみに没頭でき、かけがえのない思い出の記録が増えていくことでしょう。













