野良猫を見かけなくなった?保護・管理活動が進む地域の猫たち
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子どもの頃、近所でよく猫を見かけていました。しかし、最近はあまり姿を見なくなったように思います。それには主に2つの理由があると言われています。1つ目は、猫の飼い方の変化です。かつては「猫は自由に外を歩くもの」という考え方が一般的で、放し飼いの家庭も少なくありませんでした。ところが、家の外は猫にとって危険がいっぱいです。交通事故に遭うリスクが高まりますし、猫エイズなどの感染症にかかる危険も伴います。猫は小鳥や小動物を狩る習性があるため、生態系への影響も問題視されています。これらの理由から、現在では「完全室内飼い」が主流となっています。
2つ目の理由は、放し飼いの猫だけでなく、飼い主のいない野良猫も減少傾向にあるからです。その背景には、保護活動やTNR(Trap-Neuter-Return)活動の普及があります。TNRとは、野良猫を捕獲し(Trap)、不妊手術を施し(Neuter)、元の場所に戻す(Return)活動のことを指します。猫は1年に20匹もの子猫を産む、繁殖能力の高い動物です。避妊手術を行うことで、繁殖を抑えながら地域の猫を適切に管理できるようになり、殺処分される猫を減らすことにもつながります。また、保護団体による里親募集も活発になり、飼い主のいない猫たちが新しい家庭へ迎えられるケースも増えています。
猫を飼いたいと思ったら、まずは保護猫を検討しよう
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もともと猫を飼いたいと考えていた我が家も、保護猫のお迎えを検討しています。ペットショップやブリーダーではなく、保護猫を家族に迎えることで、少しでも社会に貢献できるのではないかと思ったからです。毎週のように家の近くの保護猫カフェに通い、譲渡に向けた準備を進めています。
一匹でも多くの保護猫が新たな家族を見つけられることを願う一方で、譲渡には意外なハードルがあることも分かりました。保護団体によって基準は異なりますが、飼育環境や経済的な安定、家族構成などが細かく審査されます。例えば、一人暮らしや長時間家を留守にする家庭、小さな子どもがいる家庭では譲渡が難しい場合もあります。これは、猫が再び不幸な状況に陥らないようにするための大切な条件です。猫を飼いたいという気持ちだけではなく、生涯にわたって責任を持てるかどうかが問われるのです。
それでも、保護猫を迎えることは、猫と人が共生できる社会をつくり、SDG11「住み続けられるまちづくりを」の実現にもつながる大切な選択肢です。多くの保護団体や保護猫カフェが譲渡会を開催しています。もし猫を迎えたいと思った時には、保護猫を選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。