ペットボトル 飲料を買うかわりに、マイタンブラーを持ち歩く。これが、私たちにもできる小さなエシカル行動です。繰り返し使えるタンブラーを使うことで、プラスチックごみを減らし、自然環境を守る一歩になります。
マイタンブラー利用は、日常的にできるエコアクションとして 注目されていますが、実際どのようなメリットがあるのでしょうか?
マイタンブラーの効果➀ごみが減る
2016年世界経済フォーラムの試算によると、世界では毎年800万トンものプラスチックが海に流れ込み、2050年には海中のプラスチックが魚よりも多くなると言われています 。これが、マイタンブラーの利用でペットボトル等の消費を削減することで、少しでも抑えられます。
とはいえ、いまはペットボトルもリサイクルされるから、環境に悪くはないのでは…?と思う方もいらっしゃるでしょう。 実際に、2023年時点で日本のプラスチックごみの有効利用率は約89%と非常に高い水準です。しかし、そのうちの約6割は「サーマルリサイクル」。 これは、ごみを燃やす際の熱をエネルギーとして利用する方法で、厳密な意味での「資源の再利用」であるマテリアルリサイクルは2割程度に留まっているのが現状です。サーマルリサイクルは、焼却時にCO2を排出するため、地球温暖化対策の観点から課題があると言えます。ペットボトルはボトルtoボトルでリサイクルラインが確立されていますが、剝がしたラベルや、汚れがついていたり、正しく分別されなかったりしたペットボトルはすべてプラスチックごみとして処理されてしまいます。
プラスチックごみを減らしリサイクルを促進するため、2022年4月には「プラスチック資源循環促進法」が施行され、社会全体でプラスチック削減に 向けた動きが加速しています。私たち一人ひとりがマイタンブラーやマイボトルを使ってごみの削減に努めること、ごみを処理する際には正しく分別することが、未来の環境を守るために大切です。
マイタンブラーの効果②ユーザーの生活の質向上
筆者自身も日常的にマイタンブラーを使用しています。以前は、水筒はもっているもののほとんど使っておらず、出先でペットボトルを購入することが多かったのですが、あることをきっかけに、マイタンブラーを持ち歩くようになりました。
それは、お気に入りのタンブラーを手に入れたこと。

左)京都市京セラ美術館の美術展で購入した、モネの「藤」のあしらいがあるタンブラー
右)友人からプレゼントしてもらったコルク素材のタンブラー
エコにおしゃれに。生活の中で自然に取り組むアクション
どちらもお気に入りで、オフィスでデスク上に置いているとテンションが上がります。ファッション的な役割も持ったことで、持ち歩くことが楽しくなりました。
特にモネの「藤」タンブラーは、Ecoffee Cupと呼ばれるもので、植物由来バイオプラスチックの一種・ポリ乳酸で作られた 地球に優しいコーヒーカップです。
このタンブラーたちに、水を入れて会社に持っていって、午後からは付近のスターバックスでコーヒーを入れます。スターバックスは「タンブラー部」という取り組みを行っており、お気に入りのマイタンブラーやマグカップを持参してドリンクを注文すると代金を 値引きしてもらえるのです。
お気に入りのエコなタンブラーで、美味しいコーヒーを飲み資源節約に協力する。このWin-Winなルーティンができてからは、ペットボトル購入の回数が 減ったように思います。
マイタンブラーは、ただの飲み物を入れる容器ではありません。 無駄な資源の消費を減らし、ファッショナブルに暮らすきっかけ。日々のちょっとした選択が、サステナブルな社会への道を作っていきます。
<参考>
WWFジャパン「海洋プラスチック問題について」
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html
一般社団法人プラスチック循環利用協会「2023年廃プラスチック総排出量は769万t、有効利用率は89% 『プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況(マテリアルフロー図)』を公表」
https://www.pwmi.or.jp/column/column-2566/