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偉大な自然と共生する島、アイスランドを旅して

なるほど!

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今年の夏休み、ずっと憧れていた北欧の「火と氷の国」、アイスランドを訪れました。電力のほぼ100%を再生可能エネルギーで賄い、ジェンダーギャップが非常に低いことなどから、SDGsの観点で注目を集めている国です。今回は筆者が実際に訪れた観光地のいくつかをご紹介します。

圧倒的な水量を誇る滝、「グトルフォス」

氷河に覆われた国、アイスランドには、とにかく滝がたくさんあります。筆者は滝が好きで日本国内でも滝を目当てに観光することがあるのですが、アイスランドの滝の水量とその高さのスケールには、ただただ圧倒されてしまいました。そして何より、驚くほど「ありのまま」の姿でそこにありました。
例えば、黄金の滝と呼ばれる「グトルフォス」。轟音とともに、深く、流れの速い滝つぼへと膨大な水が吸い込まれていきます。滝は二段になっており、高さは合計で約32メートルにもなります。日本と違うと感じたのは、その滝つぼを覗き込めるほど近くまで近づけること。人と滝を隔てるのは、ルートを示す細いロープだけでした。
恐ろしいほど偉大な自然にこんなにも近づけることに驚くと同時に、轟々と大地から響く音、霧のように吹きあがるほどの水しぶきを感じて、涙が出るほど感動しました。

名前の由来は、晴天時に滝が黄金に光り輝くことから
裏から回り込んで見ることができる滝も
水しぶきでビショ濡れになりました

柱状節理に魅了される「レイニスフィヤラ」

絶景といえばもう一つ、世界で最も美しいビーチの一つと言われる、黒砂海岸「レイニスフィヤラ」も訪れました。黒い砂浜と、不思議な柱状節理(岩の柱)が広がる幻想的な場所です。

また、希少な美しさを持つ風景とは裏腹に「スニーカーウェーブ」と呼ばれる予期せぬ高波が襲う、非常に危険な場所としても有名です。実際に観光客が波にさらわれる痛ましい事故も起きています。
しかし海岸自体は閉鎖されることはなく、その時の海岸の危険度を示すランプと、現地のガイドさんを頼りに観光客は砂浜を散策することができました。

ありのままの自然との共生を選ぶ姿勢

観光を主要産業に据える国でありながら、過剰な管理や観光客向けの手入れをしない。その姿勢を見て、「人間はあくまで自然に立ち入らせてもらっている立場」という、アイスランドの人々の自然への敬意を感じました。
もちろん、危険な場所には看板があり、ルートを示すロープはあります。しかしそれは管理するためではなく、訪れる人々に自己責任という考えと自然への敬意を促すための最低限のサインに見えました。

人間の都合に合わせるのではなくありのままの自然を尊重し、守る。それはその土地の生き物や生態系を守ることにも繋がっています。
現代社会がめざす「サステナブル・ツーリズム(持続可能な観光)」の本質を、間近で見る絶景に教えてもらった旅行でした。

今後も、アイスランド旅行で感じた、別観点の「SDGsなコト」を発信する予定です。お楽しみに!